神経症を引き起こす原因となるのは、ストレス、心身の極度の疲労、そして、「恐怖」があります。
ストレスは生活スタイルを変えたり、ストレス発散をできる趣味に積極的に取り組んだりして、軽減していくことが可能です。
心身の疲労も、とにかく「寝る」「休む」こと大事です。お医者さんに行っても、とにかく強調されるのは、食事や運動よりも、まず、「寝る」でした。
しかし、お医者さんのところに行っても、「恐怖」は簡単に取り扱ってもらえませんし、専門外な場合もあります。
何かに対して「恐怖」を感じているならば、心理カウンセラーに頼る方が早くに突破口を見つけるのに役立ちます。
これは自分が持っている「恐怖」に向き合う助けにもなります。
人に頼る方がいい理由
自分ひとりでは何に対して、「恐怖」を持っているかがわからなかったり、自分の中で恐怖の対象を勘違いしていることもあります。
カウンセラーはそれが、どんなものかを探ったりして、一緒にその恐怖に向き合ってくれます。
これは、夜中に子供が幽霊が怖いから、一緒にトイレに行ってほしいという状況に例えられます。
子供は大人とトイレに行くことによって安心し、幽霊が例え出てきたとしても、大人といるから大丈夫だと思えます。
自分ひとりで、「恐怖」に向き合うのもいいのですが、自分の経験や知識からだけの、いわば偏った考えや見方に左右されることもあるので、自分ひとりで恐怖に向き合おうとするのは、ただ「恐怖」を増やしかねない場合もあります。
例えば、先ほどの子供が、大人とトイレに行くのは、自分が弱いからだと言う考えにとらわれて、ひとりでトイレに行きます。しかし、そこで窓の外に白っぽい光を見たとしたら、どうでしょう?
幽霊を見てしまったと驚き、恐れてしまうかもしれません。
そうして、自分の心の中に、実際に幽霊はいると言う確信を強め、さらに怖がるようになるかもしれません。
そんな怖がっている自分は、「駄目な自分」だととらえているなら、誰かにその体験のことを話すことも無く、ずっとその白い光に恐怖を抱き続けるかも知れません。
実は、その白い光は夜中に道を歩いていた人のスマホの光だったとしてもです。
「恐怖」があると、考えがひとつに固定されてしまって、他の事に考えが行かない事があります。心が恐怖にとらわれてしまうんですよね。
もしも、先ほどの子供も、白い光を怖がった自分を恥ずかしがらずにお母さんに、そのことを言ってみれば、
「それは、誰かが歩いていて、懐中電灯か、スマホの光が白っぽく見えただけだから、大丈夫よ」
と、言ってもらえれば、安心できたでしょうし、この時点で「怖い!」と言う気持は落ち着いたでしょう。
それでも、怖い場合は、また一緒にトイレに付き添ってもらって、何も怖いことは起こらないと言う事を体験する事ができます。
誰にたよるといいの?
自分の今の状況を脱出したいと思うならば、今、自分を困難に陥れている状況に向き合う必要があります。
そのためには、信頼できる人に話をしたりすることも助けになります。
しかし、専門家で無い人には、込み入ったことを理解してもらうのは難しいです。
そのために、カウンセラーがいます。
人は、誰かに相談することを恥ずかしいと感じたり、いざ、相談しても言葉に詰まってうまく話せなかったりするかも知れません。
しかし、充分に訓練を積んだプロ相手ならば、割り切って話すこともできるかも知れません。
カウンセラーの選び方のコツ
しかし、心理的に疲れてしまう人と言うのは、そもそもが、自分の感情を溜め込みやすいタイプです。だから、人に相談するのが苦手だったりします。
そんな人だからこそ、カウンセラーに頼ると言うのは、お金を払った割り切った関係であると言う事を前提として話をするのは、少し気が楽だったりします。
でも、出来ればいいカウンセラーにあたって、回復を着実に進めて生きたいものです。
カウンセラーの見極め方は:
・知識がある:ブログやホームページでその人の得意分野を見て決める。
・カウンセラー自身も色んな困難を乗り越え、自分の心を癒している。
・無料相談などをして、ウマが合うと感じる人を選ぶ。
・ゆっくりと話を聞いてくれて、急かしたりしない。
・患者の言うことを全部肯定したり、否定したりしない。
・患者の行動を、批判するような態度を持たないし、批判的なことを口にしたりしない。
・時に、どのような行動をとるといいかをアドバイスをくれるけど、必要以上に干渉しない。
世間的にとても評価の高いカウンセラーもいると思います。そういう人も優秀で、とても頼りになると思います。
でも、時として、「この人なら大丈夫」と感じるような人に相談するのもいいです。なぜなら、直感がOKと言っている事は当たりです。
逆に、直感的にNGを感じるならば、あまりあなたのプラスになることは無いと思っておいた方がいいです。
その時の自分には、NGな人かも知れません。今は、OKな人も後には自分の感覚が変わってきて、NGになって行くかも知れません。
恐怖は沼地の様なものだから、早く抜け出そう
人は変わりたいと思う生き物です。
何かに対して、「恐怖」を抱き続け、何の行動も起こせない、自分を変えられない、病気のままだと言う状況は、人にとってはまるで、沼地にずっと沈んだまま腐っていくようなものです。
だからこそ、恐怖に向き合って、自分にとってきれいな水のある花畑に行けるようにしたいものです。
不安障害やパニック障害を克服する上で、「恐怖」に向き合うことがなぜ大切なのかについては、前回の記事で取り上げました。