少子高齢化が騒がれる世の中だが、物事は偶然に起こっているのではない。
なるべくしてなっている。
少子高齢化もなるべくしてなっている。
なぜ、そう言えるだろうか?
‐ 結婚年齢が上がった。
‐ 結婚に消極的な見方がある。
‐ 経済的リスクを考えると独身である事を選ぶ。
‐ 体質的に妊娠しづらい。
‐ 将来感が悲観的。
‐ 人々の精神性が低くなっている。
‐ 考え方の多様化。
これらの理由があるだけで、子供を持ち育てようと言う人が減るだろう。
そして、この中でも一番問題となり、一番の「結婚したくない・できない理由」は経済的な問題だと言える。
しかし、ここで思う事がある。
昔の人、それこそ私たちの祖父祖母世代は貧しくても結婚し、子供を設けていた。
昔の人の話なんか、今の人たちと関係が無いから比較にならないと言うなかれ。
なぜ、私たちの祖父祖母世代は貧しくとも結婚し、子供を設けていたのか?
考えられるのは:
‐ そもそも結婚が半強制的なものであった(お見合い結婚など)。
‐ 将来的には確実に昇給する可能性もあり、頑張れば報われると言う時代があった。
‐ 子どもが大きくなれば、労働者の一人になると言う打算。
‐ 家庭の経済は夫婦で築き上げるものと言う考えがあった。
‐ 経済的な面でも足るを知るを知っていたし、清貧を良しとしていた。
今の人々はどうだろうか?
今の若者たちはこのような傾向を持ってはいないだろうか?
‐ 結婚は自由に相手を選べるようになった代わりに、「あの人はダメ、この人もダメ」と言っている。そもそも恋愛することに興味がわかない人もいる。
‐ どこか若者たちが悲観的で、「どうせ給料なんか上がらないんだ」と言う考えがある。
‐ 子供を将来の労働力にすると言う考えは古臭いし、悪だと言う感覚がある。場合によっては負担でしか無いと思っている。(注:「子供を労働力の一つに」と言う手段の子作りには賛成ではない)。
‐ 結婚するにあたって「年収○○○○ぐらいは稼いでないといけない」と言う。最初から経済的に相手に求めすぎている。お互いに協力しようと言う感覚が弱い。
‐ 贅沢をしたいと考える人もいる。その分、たくさん働かなければいけない。
よく言えば今の若者たちは、慎重に将来を考えている。慎重になり過ぎて、悲観論にいたり、身動きが取れなくなっているようにも感じる。
その反面、消極的なわがままになったとも言える。
だけど、結婚すると言う事に納得していないのならしなくてもいいと思う。
なんだかんだ結婚するしないは自由なのだから。
実際に、独身と言うのは楽しい。
どこにでも行けるし、身軽に色んな事に挑戦できる。
パートナーや子供がいると、彼らの都合を考えたり、将来的な出費を考慮に入れて動かなければならないので、動きが鈍ってしまう。
しかも、感情の面でもパートナーや子供の事を心配したり、気遣ったりと気苦労が増える場合もある。
それでも、夫婦として絆を築き上げていくのは楽しいものなのだけれど。
二人で人生を築くことを選んだ夫婦
過去に結婚について話をしてくれた夫婦がいた。
彼らは決して裕福な状態から結婚したわけでは無かった。
まず夫婦が住む家が必要だったが、作ったのは壁、床、屋根、窓と基本的に雨風しのげる場所でしかなかったと言う。
そして、二人で働いて徐々に床にタイルを敷いたり、壁に塗装をして、雨風をしのぐ以上のくつろげる家を作っていった。
子供が出来たりと色んな変化がありながらも、徐々にその家を完成させた。
何年かけて完成させたのかは聞かなかった。
最初からお互いに経済的に裕福では無くとも、「二人で築き上げる」と言う考えで結婚している。
私からしたら、今は60代に差し掛かろうとしている二人をとても素敵な夫婦だと思った。
お互いがお互いを支えるのか、寄りかかるのか?
今の人たちはどうだろう?
年数かかってもいいから二人で家を築き上げた夫婦の様な考えをしているようには見えない。
なぜだか、お互いがお互いに寄り添うのではなく、どちらかがどちらかに寄りかかる様なイメージを持っている様な気がする。
そして最初からすべてが揃っていなければならないみたいだ。
現代は将来の経済状態に不安を持つ人が多い。
女性側からしたら、ちゃんと稼げない男は将来的に、特に妊娠した時に、やっていけるのかどうか心配になる。
男性側からしたら、やっぱり女性側が仕事が出来ない状態になってやっていけるのか心配になる。
そうなると必然的に結婚をして、子供を持つ選択肢が無くなってしまう。
少子高齢化は経済的な不安から来るものと言う考えも極端な気もするが、それでも「生きるか死ぬか」を左右する可能性のある経済は、心理的に大きく影響してくる。
時代も時代だから、色んな観点から不安を持つだろう。
だけど、夫婦と言う関係は経済的な面でも、絆の面でも最初から出来上がっているわけではない。
二人で築き上げるものだと思っている。